2021年4月14日水曜日

島木赤彦


夕焼空焦げきはまれる下にして氷らんとする湖のしづけさ


月の下の光さびしみ踊り子のからだくるりとまはりけるかも


ひたぶるに我を見たまふみ顔より涎を垂らし給ふ尊さ


みづうみの氷は解けてなほ寒し三日月の影波にうつろふ 


信濃路はいつ春ならん夕づく日入りてしまらく黄なる空のいろ 


隣室に書よむ子らの声きけば心に沁みて生きたかりけり

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