黒髪のみだれもしらずうちふせばまづかきやりし人ぞ恋しき
涙川おなじ身よりはながるれど恋をばけたぬものにぞありける
世の中に恋といふ色はなけれどもふかく身にしむものにぞありける
物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる
今はただそよそのことと思ひ出でて忘るばかりの憂きこともがな
とどめおきて誰をあはれと思ふらん子はまさるらん子はまさりけり
はかなしとまさしく見つる夢の世をおどろかで寝る我は人かは
枕だにしらねばいはじ見しままに君かたるなよ春の夜の夢
夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ
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